2008 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカイン受容体CCR2の細胞内シグナル伝達因子FROUNTの構造生物学的研究
Project/Area Number |
19790064
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉永 壮佐 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (00448515)
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Keywords | ケモカイン受容体 / 炎症性免疫疾患 / 構造生物学 / 創薬 / NMR |
Research Abstract |
白血球は, ケモカインの濃度勾配に基づいて走化性を示し, 炎症箇所へ速やかに集積する。白血球の走化性は, 重要な免疫生体防御反応であるが, 自己免疫性疾患における主要な発症原因とも考えられている。ケモカイン受容体CCR2を介したシグナル伝達は, 単球およびマクロファージの細胞遊走を担うことから, その異常な活性化が様々な慢性炎症性免疫疾患の発症原因となる。研究協力者である寺島らは, 近年, CCR2のC末端領域に結合し, シグナル伝達を制御する新規の細胞内因子FROUNTを見出した (Terashima Y. et.al., Nature Immunol. 6, 827-835(2005))。FROUNTがケモカイン受容体を選択的に認識する機構の解明は, 慢性炎症性免疫疾患の治療のために極めて重要である。本研究は, (1) 構造生物学的手法に基づくFROUNTのCCR2認識機構の解明, (2) 立体構造情報を利用した, FROUNT-CCR2相互作用をターゲットとする慢性炎症性免疫疾患治療薬の創出を目的とする。 FROUNTのCCR2結合ドメインFNT-C, および, CCR2のFROUNT結合領域の安定同位体標識タンパク質を調製し, 溶液NMR解析を行なった。その結果, FROUNT-CCR2相互作用を担う残基を双方側において特定した。CCR2は, FROUNT結合に際し, α-ヘリックス構造をとることを示した。また, FROUNT-CCR2相互作用をブロックする化合物を複数見い出した。これらの結果は, FROUNT-CCR2相互認識機構の解明, および,相互作用をターゲットとする創薬において不可欠な知見・材料である。
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Research Products
(7 results)