2007 Fiscal Year Annual Research Report
MHC結合性ペプチドを内封したリポソームによる粘膜免疫賦活法の研究
Project/Area Number |
19790067
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
黒羽子 孝太 University of Shizuoka, 薬学部, 助教 (90333525)
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Keywords | 免疫学 / 薬物送達学 / ワクチン / 薬学 / 感染症 |
Research Abstract |
粘膜での病原細菌,病原細菌由来の毒素に対する分泌型IgA産生を効果的に誘導する経粘膜ワクチンの開発を目指している。本研究で抗原として用いているベロ毒素の糖鎖認識サブユニットであるStxlBは,抗原提示細胞に取り込まれた際に主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIIにStxlB由来のペプチドが提示されにくいために抗原性を示さないことが明らかとなっている。この抗原性を改善するためにStxlBと,既にMHCクラスIIに提示されることが明らかとなっているペプチドを共存させたリポソームの作製および免疫賦活法の検討を行った。リポソームにStxlBを修飾するためにリポソームを形成する脂質の親水基部分への化学的結合を試みた。脂質とStxlBを効果的に結合させるために,脂質とStxlBの反応条件を検討し,適切な条件を明らかとし,MHC結合性ペプチドを内封したリボソームの作製を行った。 これと並行して,キャリアーとして用いるリポソームの効果について検討した。StxlBをリポソームに内封し,抗原として実験動物に投与した結果,StxlB単独よりも効果的に粘膜部位での抗原特異的IgA産生を誘導することが可能であった。さらに,本研究のメカニズムにより抗原性が改善されるか確認するために,StxlBとモデル抗原として使用されている卵白アルブミンを化学的に架橋し抗原として皮下投与により免疫を行った。その結果,これまでStxlBに無応答であったマウスの血清中で抗原特異的IgGの産生が確認された。このことからStxlBと,MHC結合性ペプチドをリポソームに共存させることによりStxlBの抗原性が改善される可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)