2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790068
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
伊左治 知弥 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 助教 (80433514)
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Keywords | 糖鎖 / インテグリン / 細胞接着 / がん |
Research Abstract |
細胞表面に発現するインテグリンは癌・炎症といった病理的な過程や発生、分化と言った生理的な過程に必須であると考えられている。以前、我々はこのN-結合型糖鎖を糖転移酵素により改変することで、インテグリンの機能が調節されること、α鎖の機能に重要な糖鎖付加部位を同定した。本研究において、さらに、β鎖に付加されている糖鎖に注目し、必須の糖鎖を同定し、α鎖とβ鎖の機能発現に必須である糖鎖付加部位を決定した(Isaji et.al. J.Biol.Chem. in press)。これにより、元来非常に困難であったこの受容体に基づいた薬物デザインに有益である結晶構造解析が可能になるかもしれない。一方、糖鎖修飾による機能制御メカニズムを解明するために、ヒト胎盤から精製したα鎖の糖鎖構造をMALDI-TOFMSにより決定した。興味深いことにsite-5には、高マンノース型の糖鎖しか検出されなかった。さらにα鎖の糖鎖変異体をもちい、糖転移酵素GnT-IIIによる修飾効率について解析した。E4-PHAによるレクチン染色により、S-3, 5はGnT-IIIによる修飾を受けないが、S-4, 5とS-3, 4, 5は修飾を受けることがわかった。細胞伸展の比較からS-4, 5では、GnT-III導入による接着阻害が起こるが、S-3, 5では起こらず、部位特異的な糖鎖修飾によりインテグリンの機能が制御されることが明らかとなった(Sato et.al. J.Biol.Chem.in press)。
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