2007 Fiscal Year Annual Research Report
恒常的活性化型JAK2(V617F)変異体による真性赤血球増加症発症機序の解析
Project/Area Number |
19790071
|
Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
多胡 めぐみ Kyoritsu University of Pharmacy, 薬学部, 助教 (30445192)
|
Keywords | シグナル伝達 / 発現制御 / JAK2 |
Research Abstract |
真性赤血球増加症患者において認められるJAK2の点変異(V617F)は、JAK2の恒常的な活性化を誘導することが報告されているが、その詳細な活性化機構は不明である。本研究では1)詳細なJAK2の活性化機構の解析を行うと共に、2) JAK2V617F変異体の下流因子を同定し、恒常的活性化型JAK2による赤血球分化・増殖機構の解明を行うことを目的としている。平成19年度は、(1)白血病由来の点変異L611SあるいはY613EもまたJAK2の恒常的な活性化を誘導することを明らかにし、JAK2の活性制御に重要な部位を同定した(Funakoshi-Tago, et. al. Mol Cell Biol. 2008)。(2)新規リン酸化部位としてY913を同定し、Y913のリン酸化はJAK2の活性を負に制御することを見出した(論文投稿準備中)。 また、(3)Mass spectrometryにより同定した新規リン酸化部位(Y423)に対する特異的リン酸化抗体を作製した。現在、Y423リン酸化の役割を解析しており、リン酸化によるJAK2の活性化機構が明らかになると期待される。さらに、(4)JAK2V617F変異体は、STATだけでなくPI3KやMAPKの恒常的な活性化を誘導することにより、サイトカイン除去によるアポトーシスに耐性を示すことを見出している。以上の結果を踏まえ、より詳細な下流シグナル伝達経路を解析することにより、V617F点変異が慢性骨髄増殖性疾患を誘導する作用機序の解明へと繋がることが期待される。
|
Research Products
(2 results)