2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホメオボックス遺伝子Hexの軟骨形成誘導機構に関する研究
Project/Area Number |
19790073
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
森本 理代 Teikyo University, 薬学部, 助教 (00439564)
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Keywords | Hex / 軟骨細胞 / 細胞死 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は軟骨細胞に発現するホメオボックス遺伝子Hexの軟骨形成における機能を解明することである。HexはDivergent typeのホメオボックス遺伝子であり、肝臓や単球系細胞の分化と増殖に必須である。 昨年度までにHexが未分化細胞から軟骨細胞への分化に従ってその発現量が増加することを明らかにしている。本年度は、詳細な組織化学的解析によりHexタンパク質の細胞内局在が分化に依存して変化することを見出した。これはHexの転写活性が細胞内局在により制御されている可能性を示唆している。分化による細胞内局在の変化の原因として、分化ステージ依存的なパートナータンパク質のスイッチングを考えている。Hexタンパク質はプロリンリッチドメインを有し、様々なタンパク質と相互作用している可能性が高い。今後、酵母two-hybrid法もしくは質量分析法により同定を試みたい。 また、昨年度に軟骨前駆細胞株ATDC5細胞へのHexの強制発現が軟骨細胞への分化を遅延させることを見出したが、Hex-EGFP融合タンパク質を発現させたATDC5細胞のライブイメージングにより、過剰発現させたHexが細胞死を引き起こすことが原因であると結論した。軟骨細胞への分化には細胞増殖とそれに続いて起こる細胞の凝集が必須である。ただし、Hexの過剰発現が生理的機能を反映しているとは限らない。内在性Hexの機能解明のため、Hex short hairpin RNAを恒常発現したATDC5細胞クローンを樹立した。今後、軟骨細胞への分化に及ぼす影響とその分子メカニズム、そして下流遺伝子の同定を行う予定である。
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