2008 Fiscal Year Annual Research Report
流体の性質を利用した単一細胞を操作・解析するための新しいマイクロシステムの構築
Project/Area Number |
19790076
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
枝川 義邦 Waseda University, 先端科学・健康医療融合研究機構, 准教授 (50303607)
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Keywords | MEMS / 細胞生物学 / 単一細胞 / 細胞培養 / miorofluidic system |
Research Abstract |
本年度は、単一細胞を分離・培養を可能とするデバイスと一連のシステムの最適化、それを用いた細胞生物学的・薬理学的展開を行った。システムの主要構成は変化させずに、マイクロ流体デバイスに汎用されるpolydimethylsiloxaneにより作製したレプリカをガラスディッシュにマウントしたものを用い、デバイス内部のデザインが直線状のメインチャネルと細胞を取り扱う半円筒状のマイクロチャンバーを配した構造のものとした。さらに、顕微鏡観察下の細胞培養と組み合わせることにより、捕獲後の培養細胞の挙動を経時観察した。デバイスのデザインと条件設定の最適化を行った結果、105個オーダーの細胞を含む細胞懸濁液から複数の単一細胞を効率よく分離・捕獲し、捕獲場所における少なくとも1週間の比較的長期の培養が実現するに至った。さらに、増殖性の細胞では、微小空間における細胞増殖により多世代の細胞コミュニティー形成も可能となった。さらに培養細胞のオルガネライメージングとして、生細胞の核染色にはHoechst33342、ミトコンドリア染色にはMitotorackerを用い、アクチン染色には固定化後にPhalloidin染色を行った。PC12細胞を用いた検討では、神経成長因子の刺激に伴って細胞突起を伸長することが可能であった。また、本システムは流体を用いての細胞操作を行うので細胞培養液の流れ方向に沿った物理的なストレスが突起伸長方向を規定することが予想されたが、デバイス内における培養細胞においても必ずしもストレス因子のみが伸長方向を規定する訳ではないことが示唆された。さらに、マイクロ流体デバイス内での層流を利用して、細胞もしくは形成させた細胞コミュニティーへの局所的な薬液投与システムの開発を試みた。
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Research Products
(5 results)