2007 Fiscal Year Annual Research Report
抑制性シグナル伝達を司る小胞型γーアミノ酪酸トランスポーターの構造と機能解析
Project/Area Number |
19790077
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
室山 明子 Hokuriku University, 薬学部, 助教 (00434473)
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Keywords | γ-アミノ酪酸 / 小胞型γ-アミノ酪酸トランスポーター / リポソーム / 再構成 |
Research Abstract |
小胞型GABAトランスポーター(vesicular inhibitory amino acid transporter, VIAAT)はシナプス小胞に存在するGABAの能動輸送タンパクであり、GABAシグナルの出力に本質的に重要である。しかしながら、VIAAT分子自体の構造やGABAの輸送機構に関する研究はほとんど進んでいない。VIAATの構造と機能がいまだに不明なのはインビトロの機能測定系が確立されていないためである。私が以前所属していた研究室において小胞型グルタミン酸トランスポーター、VGLUTの輸送活性測定系が開発された。これは、昆虫細胞を用いた高発現系から得られる精製VGLUTと精製FoF1-ATPaseをリポソームに再構成することでできる高感度な測定系である。私はこの再構成系をVIAATの活性測定に応用できると考えた。そして、VIAATの輸送活性測定系の構築に成功した。本研究では、1.この再構成を用いVIAATの構造と機能を分子レベルで明らかにすること、2.私が以前見出した、ラ氏島におけるVIAAT様タンパクを同定し、局在を明らかにすることを目的とする。 1.この再構成系を用い、VIAATの基質特異性・エネルギー要求性などの生化学的性質を調べた。GABAの輸送には膜電位とプロトン勾配の両方が必要であることが明らかとなった。また、膜貫通領域内において種の間で保存された電荷を持つアミノ酸に注目し、部位特異的変異導入法により変異体VIAATを作製した。作製した変異体において、ATPに依存したGABAの輸送をほぼ完全に阻害するものを見つけた。したがって、このアミノ酸残基はGABAの輸送に重要であることが明らかになった。2.ラ氏島の遺伝子ライブラリーを作成した。平成20年度、新規VIAATをクローニングする。
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Research Products
(4 results)