2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790078
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岡 真優子 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 助教 (40347498)
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Keywords | 低酸素 / マクロファージ / hypoxia-inducible factor-1α / 分化 / PPARγ / 動脈硬化 |
Research Abstract |
動脈硬化病巣部は、低酸素状態にあることが知られており、マクロファージの泡沫化や中膜から遊走した血管平滑筋細胞の増殖が見られる。我々は、血管平滑筋細胞の遊走および増殖が、低酸素下で発現する転写因子のhypoxia-inducible factor-1α(HIF-1α)が誘導するthrombospondin-1やvascular endothelial growth facotrにより引き起こされることを明らかにしてきた(Yakugaku Zasshi2008, J. Athroscler. Thromb.2008)。現在、マクロファージに着目した低酸素による単球からの分化の機構について研究しており、これまでに得られた結果について報告する。 1)低酸素状態で培養したヒト白血病由来単球系細胞(THP-1)から抽出したRNAを用いてマイクロアレイ法による分析を行ったところ、接着因子や細胞増殖因子の誘導が認められた。特に、単球と比ベマクロファージに高発現することが知れているCD36やIL-8が増大していたことから、低酸素により単球からマクロファージへの分化が促進されている可能性が示唆された。 2)低酸素状態では、マクロファージの分化マーカーであるperoxisome proliferator activated receptorγ(PPARγ)の発現が誘導され、この発現の増大がHIF-1α knockdown細胞では見られなかったことから、HIF-1α依存的な誘導であることが明らかになった。 今後、さらにマクロファージの機能に着目して低酸素によるマクロファージへの分化とHIF-1αの役割について明らかにしたい。
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