2007 Fiscal Year Annual Research Report
高活性型nNOSによるPTZ誘発キンドリング獲得の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
19790080
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
渡邊 正知 Tokushima Bunri University, 薬学部, 准教授 (30306203)
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Keywords | てんかん / 一酸化窒素(NO) / nNOS / キンドリング / 脳神経疾患 / ペンチレンテトラゾール(PTZ) / 神経薬理学 / コビキチン様タンパク質修飾 |
Research Abstract |
ペンチレンテトラゾール(PTZ)誘発キンドリング獲得時における神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)は、転写調節非依存的に高発現しているだけでなく、その酵素活性も高い。高活性型の原因を冷却SDS-PAGEにて検討したところ、活性に必須な安定ホモ二量体形成が亢進していることが明らかとなった。さらに、この安定二量体形成誘導因子をnNOSの翻訳後修飾構造に着目しin vitroにて検討したところ、予測されたユビキチン化ではなく、ユビキチン様タンパク質(UBL)修飾の関与が示唆された。nNOS-UBL化はキンドリング獲得時における高活性型nNOSの調節因子として期待される。 キンドリング獲得時において、nNOS依存的な過剰NOによって誘導されるタンパク質機能異常を検索するために、nNOS欠損マウスとの比較検討を試みた。ところが、予測に反しnNOS欠損マウスでもPTZ誘発痙攣が認められた。先ず、nNOS欠損マウスにおけるPTZ誘発痙攣の原因を明らかにするため、種々の薬理学試験にて検討した。結果、nNOS依存的な生理的NOはNMDA受容体の過剰興奮を制御しているため、nNOS欠損マウスではPTZにより痙攣が誘導されることが示唆され、NOには濃度依存的な抗痙攣・痙攣誘発の相反する二つの作用を併せ持つことが明らかとなった。この新たな事実をもとに、現在、内因性NO濃度を加味しキンドリング獲得時におけるNOの直接作用するタンパク質ニトロ化による機能異常分子群を詳細検索している。
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Research Products
(3 results)