2008 Fiscal Year Annual Research Report
高活性型nNOSによるPTZ誘発キンドリング獲得の分子メカニズム解明
Project/Area Number |
19790080
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
渡邊 正知 Tokushima Bunri University, 薬学部, 准教授 (30306203)
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Keywords | 神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS) / 一酸化窒素(NO) / てんかん / ユビキチン様タンパク質(UBL) / ペンチレンテトラゾール(PTZ) |
Research Abstract |
ペンチレンテトラゾール(PTZ)によって誘発されるキンドリング獲得は、神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の持続的高発現と、それによる過剰な一酸化窒素(NO)発生が原因となる。そこで、本研究では、(1)キンドリングにおけるnNOS発現/活性調節機構の解明、(2)過剰なNO発生により獲得される分子機能異常の解明を目的とした。 (1)nNOS発現/活性調節機構を明らかにするために、nNOSの翻訳後修飾に着目し検索した。培養細胞を用いた強制発現系では、nNOSは少なくとも2分子のユビキチン様タンパク質(UBL)により翻訳後修飾されることが示された。そこで、in vitro UBL化修飾系を利用し質量分析にて解析したところ、新たなnNOSのUBL化修飾が同定された。また、UBL化修飾はnNOSの活性発現に必須な二量体形成を制御することが示唆された。本研究で新たに見出されたUBL化修飾によるnNOSの機能(二量体形成)調節機構は、キンドリング獲得時におけるnNOSの発現/活性調節機構として期待された。 (2)NOによるUBL化修飾制御機構が報告され、キンドリング獲得時における過剰なNOがUBL化修飾異常を誘発していることが推測された。そこで、UBL化タンパク質をイムノブロットにてディファレンシャル解析した。標的分子を質量分析にて解析したところ、標的分子は残念ながら市販の抗UBL抗体の非特異認識による非UBL化タンパク質であることが明らかとなった。発現量の少ないUBLによるタンパク質翻訳後修飾の検出には、特異性・親和性の高い新たな抗体が必要とされる。そこで新たに、UBLの立体構造に着目した親和性・特異性の高いポリクローナル抗体を作成・確立した。現在、本抗体を用いてUBL化タンパク質の詳細な解析を進めている。
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Research Products
(3 results)