2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790087
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
伊東 秀記 Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center, 神経制御学部, 主任研究員 (40311443)
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Keywords | dysbindin / 神経細胞 / スパイン |
Research Abstract |
Sept8結合タンパク質のスクリーニング過程で、dysbindin-1が陽性クローンとして同定された。dysbindin-1は、ジストロフィンタンパク質複合体に含まれるdystrobrevinと結合する分子として同定され、近年の分子遺伝学的解析から、遺伝子上のSNPが、統合失調症の発症に有意に相関することが見いだされている。しかしながら、神経組織における機能に関しては、神経伝達物質の遊離に関与することが報告されているが、未解明の点が多い。そこで、神経組織におけるdysbindin-1の機能解明を目指し解析を行った。ラットの各種臓器における分布を、独自に作製した特異抗体を用いたウェスタンブロットにより解析したところ、分子量50kDaのアイソフォームは普遍的に発現していたが、40KDaの分子は、脳組織に選択的に発現していた。胎生期から生後発達期のラット脳におけるdysbindin-1の発現を検討したところ、胎生期には50kDaの分子が多く、発達に伴って40kDaの分子が増加することが分かった。組織化学的解析により、大脳皮質、海馬、小脳の神経細胞の細胞体および樹状突起にdysbindin-1は局在していることが分かった。初代培養海馬神経細胞におけるdysbindin-1の局在を蛍光抗体法により検討したところ、樹状突起のスパイン様構造での局在が見られた。dysbindin-1結合分子を、データベースにより検索したところ、WAVE2が陽性クローンとして同定されていることを見いだした。WAVE2およびその関連分子は、アクチン細胞骨格を制御し、樹状突起スパインの形態を制御していることから、dysbindin-1は、WAVE2と複合体を形成し、スパインの発達過程において何らかの役割を果たしている可能性があり、現在解析を進めている。
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Research Products
(11 results)