2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790088
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
廣川 剛 National Cardiovascular Center Research Institute, 疫学部, 室長 (90450890)
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Keywords | 蛋白質生合成 |
Research Abstract |
リボソームはmRNAコドンの解読が行われる小サブユニットとペプチド結合の形成が行われる大サブユニットからなり、遺伝子の翻訳は両サブユニットがmRNA上で会合することで開始される。翻訳を終えたリボソームの複合体は、再び各サブユニットとmRNAおよびtRNAへ解離して次の翻訳サイクルへとリサイクルされる。この反応は3つの因子(RRF, EFG, IF3)とGTPの加水分解を必要とする反応であるが、その反応順序等に関して以下の点が明らかになった。複合体からのmRNA遊離と各サブユニット解離の反応速度は、反応をある一定時間後に阻害剤で止めた後、その中間産物をショ糖濃度勾配により解析することを繰り返すことで測定可能であった。その結果、これら2反応の速度に差は認められず、このことからmRNA遊離と各サブユニット解離の反応は同時に起こっていることが示唆された。mRNA遊離と各サブユニット解離の反応は、IF3を除く2因子のみでも観察され、IF3はこの系に必須ではないことはこれまですでに明らかとなっていたが、IF3存在下ではmRNA遊離の速度が速くなっていた。また、サブユニット解離反応の基質として、mRNA・tRNAとの複合体とそれらを含まないものとの比較を行ったところ、mRNA・tRNAの存在下でのサブユニット解離反応の方が早かった。ショ糖濃度勾配によりサブユニットそれぞれが出現(解離)する速度を比較したところ、ほぼ同じ速度で検出されてくることが明らかとなり、このことは、上記のmRNA遊離と各サブユニット解離の反応は同時に起こっていることをサポートする結果であった。
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Research Products
(2 results)