2007 Fiscal Year Annual Research Report
プリオンのアミロイド線維に選択的に結合する低分子化合物の探索とその作用機構の解明
Project/Area Number |
19790091
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山口 圭一 Gifu University, 人獣感染防御研究センター, 学術研究補佐員 (90432187)
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Keywords | アミロイド線維 / 検出試薬 / プリオン / 狂牛病 |
Research Abstract |
1.全長プリオンまたはプリオンの部分ペプチドのアミロイド線維,βオリゴマーの作製 リコンビナント全長プリオンを用いて,超音波を断続的に照射してアミロイド線維形成について調べた。電子顕微鏡で確認したところ,線維状ではなくオリゴマー状の断片化した凝集体が観察された。今後,細長い線維を作るため,かく拌等のより緩和な条件下でアミロイド線維を作製する必要がある。一方,プリオンの部分ペプチドについては,プリオンのC末側のHelix2とHelix3領域の部分ペプチドがよくアミロイド線維を形成することが分かった。これはこれまでプリオンの異常型モデルとは異なるが,様々な実験結果を説明できる有力なモデルであると考えられる。 2.アミロイド線維に結合する低分子化合物のin silicoスクリーニング アミロイド線維に共通した主鎖構造,または表面の性質に注目してin silicoスクリーニングをする予定にしていたが平成19年度は出来なかった。アミロイド線維に結合する既知の化合物には,染料として使われ芳香族環を含むものがいくつか知られている。そこで,芳香族環を含み染料として使われる化合物を数十個購入しアミロイド線維に結合するか,紫外可視吸収や蛍光を用いて現在調べている。 また,プリオンの部分ペプチドの線維を僅かだが配向させることに成功した。今後,流れによりアミロイド線維を配向させ,直線偏光二色性を用いてアミロイド線維と低分子化合物の結合様式を調べる予定である。
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