2008 Fiscal Year Annual Research Report
プリオンのアミロイド線維に選択的に結合する低分子化合物の探索とその作用機構の解明
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19790091
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山口 圭一 Gifu University, 人獣感染防御研究センター, 学術研究補佐員 (90432187)
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Keywords | アミロイド線維 / 検出試薬 / プリオン / 狂牛病 |
Research Abstract |
1, 全長ブリオンと部分ペプチドを用いたアミロイド線維作製 アミロイド線維はプリオン病における感染物質の一つである。本研究ではプリオンのアミロイド線維に特異的に結合する化合物の探索を行う。そのため、まずリコンビナント全長マウスプリオンmPrP(23-231)とN末を削除したmPrP(120-231)を用いてアミロイド線維形成実験を行った。線維形成は超音波照射または攪拌下で行った。その結果、強力な超音波照射により、mPrP(23-231)は効率良くアミロイド線維を形成することが分かった。また、攪拌下では線維ではなく凝集体が多数形成された。一方、mPrP(120-231)は全長プリオンmPrP(23-231)線維によるシーディングよって速やかに凝集体を形成した。剛直な線維作製のためmPrP(120-231)については、今後さらに条件検討する必要がある 2, アミロイド線維に結合する化合物のスクリーニング アミロイド線維に結合する既知の化合物には、染料として使われ芳香族環を含むものがいくつか知られている。全長プリオンmPrP(23-231)線維を用いて、芳香族環をもつ化合物の結合実験を行った。しかし、化合物はmPrP(23-231)線維にはあまり結合しなかった。そこで、β2ミクログロブリンを用いて剛直な線維を作製して、化合物の結合実験を行った。その結果、アミロイド線維との結合によって、化合物の蛍光強度が増加した。このように化合物の結合には線維の形態が関与している可能性が高い。今後、mPrP(23-231)線維またはmPrP(120-231)線維を用いて、化合物の解離定数、そして線維の形態との関連を調べる必要がある。 また、流れによるアミロイド線維の配向実験については今後も行い、直線偏光二色性等を用いてアミロイド線維と化合物の結合様式を調べる予定である。
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