2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子モデリングに基づく擬似対称型酵素阻害剤の分子設計
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19790100
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
日高 興士 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 助手 (30445960)
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Keywords | 擬似対称型酵素阻害剤 / 分子モデリング / HIVプロテアーゼ / プラスメプシン / ヒドロキシメチルカルボニル / HMC-ヒドラジド / アスパラギン酸プロテアーゼ / 分子設計 |
Research Abstract |
1.HMC構造を擬似対称型化合物に組み込む分子設計のため、HMC構造に基づくジペプチド型阻害剤KNI-577を用いた。すなわちKNI-577のHMCのα炭素とカルボニル炭素の間にC_2回転軸を想定し、回転前のKNI-577と180度回転した後のKNI-577を重ね合わせた。次にそれぞれのP'部位を除去し、残った部分を融合するためにHMC-ヒドラジド構造を導入することによりKNI-1276をデザインした。この方法を用いて、既存の高活性HIVプロテアーゼ阻害剤であるジペプチド型のKNI-727と、トリペプチド型のKNI-272を用いた擬似対称型化合物の合成を行った。また、得られたHMC-ヒドラジド構造を有する擬似対称型化合物について、HMCの水酸基の立体化学が異なるジアステレオマーを同様に合成した。 2.KNI-1276のデザイン手法は2つの阻害剤の組合せへと応用できることから、KNI-577、KNI-727、KNI-272を基に、分子モデリングの構築により可能な組み合わせについて、デザインし、合成した。HMCの水酸基の立体化学の異なるジアステレオマーも同様に合成した。 3.基質切断部位であるPhe-Leuに基づいたPlm阻害剤として、HMC-ヒドラジド構造を組み込んだ擬似対称型分子の設計を行い、擬似対称型化合物を合成した。 4.合成した擬似対称型化合物のHIVプロテアーゼ阻害活性を測定したところ、阻害剤構造の長さとHMC-ヒドラジドの水酸基の立体化学において、HIVプロテアーゼ阻害活性の相関関係が見られた。中でも、KNI-272由来の擬似対称型化合物はKNI-272と同等の酵素阻害活性を示した。本年度の結果より、HMC-ヒドラジド構造に基づく擬似対称型化合物の分子設計を行い、いくつかの強力な新規HIVプロテアーゼ阻害剤を獲得することができた。
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Research Products
(5 results)