2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790105
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 貴志 Osaka University, 薬学研究科, 助教 (20423121)
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Keywords | 微生物 / 迅速検出 / 植物水耕栽培 |
Research Abstract |
食の安心、安全の確保を大目的として、植物水耕栽培における微生物の動態を分子微生物学的手法を用いて研究する。本年度は湛水式の植物水耕栽培を行い、最適化した細菌数測定法およびマイクロコロニーin situハイブリダイゼーション(MC-FISH)法を用いて、植物栽培培養液中に添加した大腸菌の動態を解析した。 1. 植物水耕栽培における細菌数測定。本研究での水耕栽培においては、培養液中に約10^6〜10^7 cells/mlの細菌が存在し、そのほとんどがエステラーゼ活性および増殖活性をもっていた。また、実験期間を通じて全菌数の変化はほとんどないものの、増殖活性をもつ細菌数が増加したことから、植物水耕栽培液中の細菌は高い活性をもった状態で存在していることがわかった。 2. MC-FISH法による大腸菌数の測定。培養液に大腸菌を添加し、MC-FISH法と選択培地を用いた一般的な培養法により大腸菌数を比較した結果、MC-FISH法を用いることにより、増殖活性をもつ大腸菌をより高精度に捉えることができ、細菌モニタリング法として有用であることがわかった. 3. MC-FISH法による大腸菌モニタリング。培養液に10^2〜10^8 cells/mlとなるように大腸菌を添加し、経時的に変動を追跡した結果、時間の経過とともに増殖活性をもつ大腸菌数数が低下し、栽培終了時(14日間)には添加量の約1/1000となっていたことから、培養液に混入した大腸菌の増殖活性は大きく低下することがわかった。 4. 大腸菌の生残に及ぼす植物の影響。培養液に添加した大腸菌数の変動は、植物の有無に関わらず同様の傾向を示したことから、本研究における栽培条件においては、大腸菌の生残に及ぼす植物の影響は小さいことがわかった。
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