2008 Fiscal Year Annual Research Report
ATP産生を阻害する環境化学物質の新規メカニズムによる神経細胞死
Project/Area Number |
19790106
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古武 弥一郎 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (20335649)
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Keywords | AMPK / ATP / グルタミン酸 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、ATP産生を阻害する物質の神経細胞死メカニズムに関する研究を、大脳皮質初代培養神経細胞を用いて実験した。ATP産生を阻害する物質として、ミトコンドリアのATP合成酵素を阻害することが報告されている環境汚染物質トリブチルスズと、脱共役剤として作用する農薬酸化フェンブタスズを用い、両者の神経細胞死メカニズムを比較した。その結果、両者とも添加30分という早い時間におけるATP減少とそれによるAMP-activated protein kinase(AMPK)活性化、細胞間隙グルタミン酸濃度の上昇、グルタミン酸受容体の過剰な活性化を介した神経細胞死という一連のイベントを同様に引き起こすことが明らかとなった。AMPKの阻害剤compound Cがこれらによる神経細胞死を抑制したことから、ATP減少により引き起こされるAMPK活性化が神経細胞死のメディエーターとなっていることが示唆される。また、compound Cは細胞間隙グルタミン酸濃度の上昇も抑制したことから、AMPK活性化の下流で細胞間隙グルタミン酸濃度の上昇が起こる可能性が考えられる。現在AMPKによるグルタミン酸トランスポーターの制御について検討を行っている。
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Research Products
(3 results)