2007 Fiscal Year Annual Research Report
PKC分子種依存的なMrp2,Bsepの膜動輸送の分子論的解析と生体への影響
Project/Area Number |
19790116
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関根 秀一 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 助教 (70401007)
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Keywords | 胆汁排泄輪送体 / シグナル伝達 / 膜動輸送 |
Research Abstract |
これまでに申請者は、肝臓の胆管側膜及び、小腸の管腔側膜に発現しているMulti drug resistance associated protein 2(Mrp2)がProtein kinase C(PKC)の分子種依存的な活性化により細胞質に内在化する現象を見出している。しかし、これら内在化を引き起こすPKCのリン酸化標的については、明らかとなっていない。これまでに申請者が得ている結果からPKCのリン酸化標的分子はMrp2自身及び、その周辺にあるF-actin等ではないことが推察されている。その一方でMrp2とF-actinとのアンカーとして働き、Mrp2の膜における安定発現に重要であるEzrin-Radixin-Moesin(ERM)familyの蛋白質は肝臓と小腸とで異なる局在性を示すことが知られていることから、申請者はこのERM蛋白質の臓器間におけるERMの発現プロファイルの相違が、PKC分子種依存的なMrp2の局在変化に対する臓器間の差の原因であると考え検討を行った。その結果、小腸において発現しているEzrinの567番目のスレオニン残基のリン酸化状態がPKCの活性化により変化していることが明らかとなった。更に、免疫沈降法による検討により、Mrp2とEzrinの結合能がこのリン酸化状態の変化により低下することを見出し、ERM familyの蛋白質がPKCの分子種に依存したMrp2の内在化現象の要因であることが見出された。 本研究を更に遂行していくことにより、PKC分子種の活性化を指標とした候補医薬品の肝毒性や薬物動態の変動に対する新規のスクリーニング系の構築につながることが期待され、今後に発展性のある研究成果が得られた。
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Research Products
(5 results)