2008 Fiscal Year Annual Research Report
Tumor dormant therapyへのリポソーム化抗がん剤の応用
Project/Area Number |
19790128
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 竜弘 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50325271)
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Keywords | がん / がん治療 / DDS / リポソーム / モデル動物 / 体内動態制御 / がん新生血管 |
Research Abstract |
本研究では、metronomic chemotherapyが有する課題を、がん新生血管に標的化されたリポソーム化抗がん剤を、あるいはLDMとリポソーム化抗がん剤を併用する事によって解決する事を目的とした。 当該研究期間において、腫瘍内新生血管内皮細胞に親和性を示すポリエチレングリコール修飾カチオニックリポソームの調製に成功し、これに抗がん剤(オキサリプラチン)を封入し担がんモデル動物にて抗腫瘍効果の検討を行った。その結果、通常のPEG修飾リポソーム(新生血管選択性なし)と比較して、顕著に高い抗腫瘍効果がえられた。この理由を明らかにするために、in vivo imaging装置によって腫瘍組織へのリポソームの移行を可視的に評価したところ、新生血管選択性を持つPEG修飾カチオニックリポソームは比較的速やかに腫瘍組織に移行すると共に、長期間にわたって腫瘍内に留まることが分かった。本リポソームは、投与量を減らした場合でも、その高い腫瘍選択性と腫瘍内滞留性により、抗腫瘍効果を発揮するものと考えられ、LDMが持つ課題を解決しうると期待される。 一方、経口抗がん剤(S-1)と抗がん剤(オキサリプラチン)封入PEG修飾リポソーム(新生血管選択性なし)を併用することで、リポソームの腫瘍移行性向上にともなう高い抗腫瘍効果の獲得に成功した。使用した両抗がん剤共に臨床で既に用いられており、将来臨床応用にも移行しうる新たな治療方法の提案がなされたものと考えている。
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Research Products
(9 results)