2007 Fiscal Year Annual Research Report
Plasmid DNAの臓器表面投与法における取り込み機構の解明
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19790129
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
麓 伸太郎 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70380988)
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Keywords | 遺伝子治療 / 非ウイルス性ベクター / ターゲティング / 遺伝子導入機構 / 肝臓 / マクロピノサイトーシス / ファゴサイトーシス / 胃 |
Research Abstract |
Plasmid DNAのような非常に巨大な高分子が臓器表面から取り込まれるのみならず、コードした遺伝子が発現することは生理学的に非常に興味深いところである。その遺伝子導入機構の解明は、細胞の機能を明らかにする上で、また、より効率の高い遺伝子導入法を合理的に開発する上で、有益な基礎情報となり重要である。現在のところ、肝臓表面の細胞からのplasmid DNAの取り込み機構を解析中である。これまでに、過剰量のデキストラン硫酸、標的遺伝子を含まないplasmid DNAによって遺伝子発現が阻害され、poly I及び牛胸腺DNAでは遺伝子発現が阻害されず、plasmid DNAの取り込みは単純なポリアニオン認識機構ではない可能性が示されている。また、クラスリン介在性エンドサイトーシスの阻害剤であるクロルプロマジン、カベオラ介在性エンドサイトーシスの阻害剤であるメチルβシクロデキストリンによって遺伝子導入効率は変わらず、これらの経路が関わっている可能性は低い。マクロピノサイトーシスの阻害剤であるアミロライドでは、遺伝子発現はむしろ増強された。また、plasmid DNAはマクロピノサイトーシスのマーカーであるデキストランとさほど共局在しておらず、PI3K阻害剤であるウォルトマニンによって遺伝子発現が阻害されたことから、plasmid DNAの取り込みにはファゴサイトーシスが関わっている可能性が示された。一方、胃においては逆にマクロピノサイトーシスが遺伝子発現に必要な経路である可能性が示され、臓器によって取り込み機構が異なると考えられる。
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Research Products
(8 results)