2007 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス反応を利用した血中貯留型多量化アルブミンの分子設計
Project/Area Number |
19790130
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩尾 康範 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 研究員 (30433022)
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Keywords | 多量化アルブミン / レドックス / 遺伝子組換え技術 |
Research Abstract |
本研究は、遺伝子組換え技術を基に、安全性,有効性かつ経済性に優れた、血中滞留型多量化アルブミン製剤を開発することを目的としている。 1、ヒト血清アルブミンバリアントの構造・体内動態解析 現在、60種類以上のアルブミンバリアントが存在するが、その構造・動態特性の詳細を把握することは、網羅的に個々のアミノ酸残基の役割を考えることができ、優れた機能性アルブミンを設計する上で非常に重要である。今回、17種類のバリアントの構造・動態特性を検討し、その関連性を検討したが、二次構造の指標であるα-ヘリックスの増大がアルブミンの血中滞留性を上昇させることが明らかとなり、特にドメインIIIへの変異が有用であることが示唆された。 2、糖化修飾アルブミンの体内動態解析 血中における翻訳後修飾はアルブミンの体内動態に影響を与える重要な因子の一つであり、翻訳後修飾の中でも糖化はアルブミンの生体内からの消失を促進させる。今回、軽度・過度の糖化修飾を施したアルブミンの構造特性や、マウスにおける動態解析及び種々のレセプターの強制発現細胞での取り込み実験などを詳細に検討した。その結果、修飾の程度の違いによりその動態特性・取り込み活性が大きく変化すること、またドメインIIIのリジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸残基が糖化修飾を受けやすく、その特異的構造体(AGEs)が種々の病態の発症・進展に関与する可能性が示唆された。 現在、これらの基礎的情報からドメインIIIに変異を加えたアルブミン変異体を多量化している最中であり、今後詳細な体内動態を解析しようと考えている。
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Research Products
(4 results)