2007 Fiscal Year Annual Research Report
RNAi創薬の実現に向けたsystemic delivery systemの構築
Project/Area Number |
19790131
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
浅井 知浩 University of Shizuoka, 薬学部, 講師 (00381731)
|
Keywords | RNA干渉 / siRNA / mTOR / がん / リボソーム |
Research Abstract |
RNA干渉(RNA interfbrence;RNAi)技術を難治性疾患の治療に繋げる上でin vivoにおけるsmall interfering RNA(siRNA)デリバリーシステムの確立の重要性が一段と増している。本研究の目的は,siRNA全身投与によるがん治療を実現しうるsiRNAデリバリーシステムを開発することである。本研究では,免疫応答およびがんの増殖と血管新生に関与するmammalian target of rapamvcin(mTOR)の働きを阻害し,がん治療におけるsiRNAデリバリーシステムを構築する計画である。 本年度はまずmTORに対するsiRNAを設計し,選択的にmTORをノックタウン可能な配列を決定した。次にsiRNA導入に適したポリカチオンリポソームの処方スクリーニングを実施した。複数の候補高分子化合物をリボソーム化し,siRNA導入効率を評価した。その結果,dicetylphosphatediethylenetriaminer(DCP-DETA)を構成脂質としたポリカチオンリポソームに高いsiRNA導入効率を見出した。さらに,リポソーム膜表面にがん新生血管に標的化するためのペプチド結合PEG脂質を機能修飾し,担がんマウスにおいてがんに選択的に集積するsiRNAベクターの開発に成功した。一方でナノキャリア繰り返し投与時に誘導される免疫応答に関する研究を実施した。繰り返し投与時に血中からリポソームが速やかにクリアランスされるABC現象の機構解析を行い,本現象がT細胞非依存的なB細胞応答によって引き起こされることを明らかにした。mTORに対するsiRNAおよび新生血管標的化siRNA導入ベクターを用いることにより,ベクターに対する免疫応答制御ならびに血管新生抑制を機構とするがん治療効果が同時に達成されることが期待される。
|