2007 Fiscal Year Annual Research Report
インテリジェントポリマーを用いたin vivoドラックデリバリーの研究
Project/Area Number |
19790138
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
綾野 絵理 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (10424102)
|
Keywords | インテリジェントポリー / DDS / ナノ粒子 / PNIPAAm / 相転移温度 / PLA |
Research Abstract |
本研究ではインテリジェントポリマーを用いた新規ナノ粒子の開発、臨床応用を目指す。温度応答性高分子のpoly(N-isopropylacrylamide) (PNIPAAm)とPLA(ポリ乳酸)のブロック共重合体を合成、PLAと混合しコア部がPLA、シェル部がPNIPAAmから成る温度応答性ナノ粒子を作製する。薬物としてリン酸ベタメタゾンを封入し、炎症・免疫性疾患の治療に用いる。PNIPAAmは32℃付近に相転移温度を有し、相転移温度より低温では親水性を、高温では疎水性を示す。既存のPEG-PLAは網内系への取り込みを回避し血中滞留性が向上することから、DDS製剤の開発に多く使用されている。PNIPAAm-PLAは、相転移温度より低温域では親水性のPNIPAAmによりPEG-PLAと同様の効果が、さらにEPR効果により炎症部位到達後、加温によりPNIPAAmが疎水性へと変化することでナノ粒子の細胞内取り込み促進、治療効果の増強が期待できる。 当該年度は分子量が異なるPNIPAAm (30000, 15000, 8000)を合成した。相転移温度はそれぞれ33℃、34℃、37℃であった。さらに、PNIPAAm-PLAブロックポリマーを合成しGPC、NMRにより分子量、組成比等を確認した。分子量10000、相転移温度37℃のPNIPAAm-PLAを用いてO/W型溶媒拡散法により粒子化した結果、ベタメタゾン封入、粒径150nmのナノ粒子が作製できた。また、薬剤放出試験では相転移温度以上でベタメタゾンを放出したことから、相転移温度以上でのシェル部の組成の変化から、細胞への取り込み促進、及び粒子の構造変化による封入薬物の放出が期待された。平成20年度は、精密に温度制御可能なナノ粒子を作製し、細胞内への取り込み機構、疾患モデル動物を用いた組織分布及び標的部位への集積性、薬物放出等について検討する。
|
Research Products
(3 results)