2007 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムレスポンシブル亜鉛関連ナノ粒子を用いた時間制御型新規歯周病治療法の開発
Project/Area Number |
19790141
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
徳留 嘉寛 Musashino University, 薬学研究所, 助教 (70409390)
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Keywords | DDS / バイオマテリアル / 歯槽骨 / 歯周病 / 骨再生 |
Research Abstract |
1.顎部低骨密度動物の作成方法の碓立 SDラット(♀、5週令)の卵巣を摘出し、特殊飼料(低亜鉛、低マグネシウム、低カルシウム、低リン酸、低ビタミンD3食)を与えることにより、亜鉛欠乏性顎部低骨密度ラットの作成を行なった。卵巣摘出後、1週間又は4週間、特別食を投与した結果、顎骨密度はノーマル動物と比べて減少し、いずれによっても効率的な顎部低骨密度動物の作成を行なうことが可能であることが確認された。特別食飼育期間の長さによって試験開始時の骨密度をコントロールができるので、試験目的によって顎部低骨密度の動物を作成できることが確認された。 2.顎部低骨密度動物における新規マテリアルの骨形成促進効果の確認 上で作成した顎部低骨密度ラットに新規マテリアルとして、亜鉛にリン酸カルシウムを導入した ZnTCP(Zinc containing tricalcium phosphate)、水溶性化合物として硫酸亜鉛、対照として溶媒のコーン油(無治療群)を1週間に1度顎部付近に投与した。Shamコントロール郡も併せて検討した。試験項目は体重測定、小動物用3次元X線CT装置(pQCT,武蔵野大学既有機器)によって骨量の測定・解析を行なった。試験開始12週間後において、ZnTCP投与群では無治療群に比べて、体重上昇、顎骨量が有意に上昇し、Shamコントロール群とほぼ同程度まで顎骨形成促進した。一方、水溶性の硫酸亜鉛投与群では無治療群とほぼ同程度の体重、骨量であった。以上の結果から、水溶性の硫酸亜鉛投与では効果が認められず、亜鉛を放出制御可能なZnTCP投与群では、効率的に顎部骨量を上昇させ、新規歯周病治療に効果が認められる可能性が示された。 3.特許化 ここまでに得られた情報を基に特許出願を検討している。そのため19年度は学会発表、論文等は行なっていない。
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