2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病マーカーとしての24-ヒドロキシコレステロール解析と治療薬の探索
Project/Area Number |
19790142
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
中川 沙織 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 助教 (30410228)
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Keywords | 24-ヒドロキシコレステロール / 痴呆 / 脳神経疾患 / 薬学 |
Research Abstract |
認知症は、アルツハイマー病と脳血管性認知症との2つに大別されるが、初期の段階では鑑別が難しい。さらに、アルツハイマー病は、コリンエステラーゼ阻害剤による治療を行うことによって症状の進行を防ぐことができるため、早期の鑑別診断が必須となる。アルツハイマー病のバイオマーカーとしてヒトβアミロイド(1-42)や老人斑が挙げられるが、相関性は必ずしも証明されていない。その他のバイオマーカーとして、脳内におけるコレステロール代謝物である24S-ヒドロキシコレステロールが報告されているが、詳細は不明である。 本年度は、血液中および髄液中の24S-ヒドロキシコレステロールとアルツハイマー病との関わりを探るために、24S-ヒドロキシコレステロールのGC/MS定量法を確立した。 これまでに報告されている定量GC/MS法は、多量のクロロホルムを用い、操作が煩雑であり、多検体への応用には不向きであった。そのため、高濃度の水酸化カリウムを用いるけん化反応を行い、また、n-ヘキサンを用いることで総量10mL以内で行える前処理法を確立した。さらに、血中あるいは髄液中のヒドロキシコレステロールを定量する際に、妨害物質となる大量のコレステロールがある。これを取り除くために固相抽出法を用いて、コレステロールとヒドロキシコレステロール類を分別溶出してGC/MS定量する分析系を確立した。 この分析法で脳髄液中の24S-ヒドロキシコレステロールを定量し、アルツハイマー病患者、Lewy病患者および健常人について比較検討を行っている。さらにヒトβアミロイド(1-42)を定量し、24S-ヒドロキシコレステロール類との相関性についても同様に検討中である。 また、培養細胞を用いて24S-ヒドロキシコレステロールの毒性を解析したところ、50μMにおいて有意に毒性効果が認められた。詳細についてはさらに解析を進めている。
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Research Products
(13 results)