2009 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ節を標的とする抗癌剤貯蔵無機ナノ粒子を用いた転移乳癌治療法の開発
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19790143
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
村上 達也 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点助教 (90410737)
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Keywords | ドラッグデリバリー / ナノ粒子 / カーボンナノチューブ / 癌化学療法 / 乳癌 / リンパ節転移 / 腋窩リンパ節 / ドラッグキャリア |
Research Abstract |
昨年度、カーボンナノホーンへ(CNH)内部へ光線力学療法剤亜鉛フタロシアニン(ZnPc)をさせ、この複合体へ光照射すると、CNH由来の光線温熱効果とZnPc由来の光線力学効果により、強力な癌細胞死滅効果が得られることを見いだした。本年度、ZnPc内包CNHの詳細な殺細胞活性メカニズムを検討したところ、ZnPcが光励起されると電荷分離、すなわちZnPc^<+・>とCNH^<-・>が生成し、さらにCNHA^<-・>から酸素へ電子移動によってO_2^<-・>が生成することが示唆された。通常、ZnPcは光照射により、活性酸素種として一重項酸素(^1O_2)を生成することが知られている。すなわちZnPcはCNHと複合体化すると、産生する活性酸素種を^1O_2からO_2^<-・>へ変化させることが示唆された。O_2^<-・>は、タンパク質分解活性を有することが知られており、ZnPc内包CNHが細胞内取込を受けることも考慮すれば、その光線力学効果は、細胞内で発生したO_2^<-・>によるタンパク質分解に起因するものと考えられる。さらにCNHの体内動態を検討するため、CNHを酸化ガドリニウムGd_2O_3でラベル化し、マウス血管内に投与した。この結果投与した70-80%のCNHは肝臓に集積し、特にマクロファージに貪食されたことが示された。これは以前に報告した結果、すなわち、CNHを腫瘍内投与すると近傍の支配リンパ節内のマクロファージ局在部位に集積することと一致する。以上得られた結果は、外部刺激を利用したCNHのリンパ節転移癌治療の実現に向けて、重要な知見を与える。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Biodistribution and ultrastructural localization of single-walled carbon nanohorns determined in vivo with embedded Gd203 labels2009
Author(s)
Miyawaki, J., Matsumura, S., Yuge, R., Murakami, T., Sato, S., Tomida, A., Tsuruo, T., Ichihashi, T., Fujinami, T., Irie, R., Tsuchida, K., Iijima, S., Shiba, K., Yudasaka, M.
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Journal Title
ACS Nano 3
Pages: 1399-1406
Peer Reviewed
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[Journal Article] Photoinduced electron transfer in zinc phthalocyanine loaded on single-walled carbon nanohorns in aqueous solution2009
Author(s)
Sandanayaka, A.S.D., Ito, O., Zhang, M., Ajima, K., Iijima, S., Yudasaka, M., Murakami, T., Tsuchida, K.
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Journal Title
Peer Reviewed
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