2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790150
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 淳 Osaka University, 生命機能研究科, 特任助教 (00362525)
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Keywords | クローディン / 腸管 / 上皮細胞 / バリア / ノックアウト |
Research Abstract |
昨年度までのクローディン15ノックアウトマウスの解析から、本ノックアウトマウスの小腸では、イオンの透過性が低下(コンダクタンスが低下)することが認められていた。本年度は、コンダクタンスの低下が、あらゆるイオンの透過性の低下によるものか、あるいは選択的なイオンの透過性の低下によるものかの検討を行ない、主要な1価カチオンの透過性が減弱している可能性が示唆された。この透過性の変化により、腸管周囲のイオン環境ホメオスターシスがかなり大きく崩れていることも分かり、腸管内腔イオンを利用した糖やアミノ酸などの栄養吸収の点についても、併せて検討している。 これまでの結果では、経口糖負荷試験(OGTT)において、野生型マウスとノックアウトマウスでは、経時的な血糖上昇には有意差が認められないが、同時に、インスリンなどホルモンの影響を受けている可能性は否定できていない。また、これまでの経験から、実験系そのものが生体内のイオン濃度を撹乱してしまう困難が常にともない、生体での値をより正確に把握できる系の確立が急務と考えている。また、上記、電気生理学的な系では、腸管の絨毛とクリプト部分を分けた測定が不可能なため、これらの部位での、クローディンの組み合わせの違いが、タイトジャンクションのバリアー機能にどのように影響しているかが判断できない。そこで、クローディン15を中心とした腸管のクローディンが、どのような機構でイオンの選択性を持つのか、より詳細に検討できる系の確立も視野に入れている。
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Research Products
(4 results)