2007 Fiscal Year Annual Research Report
軸索・シナプス前終末におけるオートファジーを介した蛋白分解機構について
Project/Area Number |
19790151
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小池 正人 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (80347210)
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Keywords | リソソーム / オートファジー / カテプシン / ダブルノックアウトマウス / 軸索 / spheroid |
Research Abstract |
カテプシンBとL、カテプシンDとLの生存期間は生後14日未満で死に至るものが多かった。一方カテプシンBとDのダブルノックアウトマウスはその多くが生後23日前後まで生存することが新たに判明した。このような寿命の違いがあるものの、軸索の変化に関してはいずれの系統においても脳梁等の軸索において、LC3陽性の顆粒状構造物が充満したspheroidが多数形成され、電顕的にも軸索、spheroid、前シナプス終末に初期段階のオートファゴソームと類似した構造物の蓄積が確認された。以上の結果はリソゾームタンパク分解酵素の欠損を伴う神経細胞の軸索においては、処理されなかったオートファゴソームが蓄積するという現象が一般的に認められることを示唆しており、正常神経細胞の軸索においては軸索内において形成されたオートファゴソームが細胞体に輸送された後リソソームにより速やかに分解を受けるという機構が存在することが推察される。軸索におけるオートファジーの形成機構について更に詳細な検討を行うため、オートファジーの形成に必須な酵素であるAtg7に関するコンディショナルノックアウトマウス(Atg7F/F)と、新潟大学脳研究所崎村建司教授より供与を受けたCamkIIa-iCre、GluRg1-Cre、GluRd2-Creマウスとをそれぞれ交配し、海馬CA1 ・ CA3 ・ 小脳プルキンエ細胞に限局してAtg7遺伝子を発現しない系統の作成を開始し、一代目のAtg7F/+;CamKIIa、Atg7F/+;GluRgl、Atg7F/+;GluRd2の遺伝子型をもつマウスを得た。現在これらマウスと、Atg7F/Fマウスを用いて更なる交配を行っている。
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