2007 Fiscal Year Annual Research Report
外生殖器(陰嚢、陰唇、前庭部)形成メカニズムの解析
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19790153
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮川 信一 Kumamoto University, 発生医学研究センター, COEリサーチアソシエイト (30404354)
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Keywords | 外生殖器 / 尿道下裂 / 雄性化 / ヘッジホッグ / 細胞系譜 |
Research Abstract |
外生殖器形成メカニズムについてマウスを用いて解析を行った。 外生殖器の初期形成過程ではヘッジホッグシグナルを中心とした細胞増殖因子群の寄与が報告されてきた。本研究では後期の外生殖器・会陰部形成に注目し、ヘッジホッグシグナルに関わる因子のノックアウトマウスの解析を行った。その結果、ヘッジホッグシグナルのエフェクターの一つであるGli2遺伝子のノックアウトマウスは尿道下裂様の表現型を示し、さらに雌よりも雄の方がその表現型が重篤であった。しかし他のGli遺伝子、Gli1、Gli3のノックアウトマウスは、外観からは外生殖器・会陰部の異常は顕著ではなかった。したがってGli2を介した、ヘッジホッグシグナルの正の制御が、外生殖器・会陰部形成に必要であることが明らかとなった。 Shh-CreERマウス(Shh遺伝子座にタモキシフェン誘導型Cre組み換え酵素をノックインしたマウス)とRosa26レポーターマウス(Creが作用すると永続的にbeta-galactosidaseを発現する)をかけ合わせ、タモキシフェン投与時にShhを発現している細胞を遺伝的に標識し、その系譜解析を行った。Shhは外生殖器の内胚葉性上皮に発現することが知られていた。本研究では内胚葉性上皮が将来の尿道・膀胱・直腸領域のみならず、会陰部の表皮にも寄与することを見出した。尿道下裂をはじめとする外生殖器・会陰部の発生異常はヒトでも多いことが知られており、本研究で得られた結果は、そのようなヒト先天性疾患の発生メカニズム解析に大きく寄与するものと考えられる。
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Research Products
(4 results)