2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790156
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
矢嶋 浩 Jichi Medical University, 医学部, 講師 (10433583)
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Keywords | 発生・分化 / 神経堤細胞 / 脊髄神経節 / 感覚神経 / Six遺伝子 |
Research Abstract |
Six1/Six4二重欠損マウスにおける脊髄神経節の異常 Six1/Six4二重欠損マウス脊髄神経節の組織学的な解析から、以下の様な異常が観察できた。これらの表現型は脊髄神経節の発生プログラムにおいて、複数の局面でSix遺伝子が重要な役割を担っていることを示唆するものである。特に、感覚神経細胞の分化・投射のメカニズムと「神経節構造」を形成・維持するメカニズムが互いに密接に関与しあい、不可分である可能性があることは大変興味深いと考えている。 ●脊髄神経節を構成する細胞種の異常…発生中の脊髄神経節において神経堤細胞は、神経細胞に分化する前駆細胞ではIsl1/2を発現し、また、グリア細胞に分化する前駆細胞ではSox10を発現しており、通常両陽性の細胞は認められない。しかし本欠損マウスにおいては、本来存在しないIsl1/2、Sox10両陽性の細胞が認められ、それらの分布も正常発生とは異なっている。 ●投射の異常…本来各脊髄神経節から感覚受領領域への投射は頭尾軸に沿って秩序立てて行われている。腰部脊髄神経節から後肢への投射をDiIを用いて観察したところ、本欠損マウスにおいては複数の感覚受領領域への投射が確認された。 ●脊髄神経節の形態異常…腰部脊髄神経節において、発生の初期には神経堤細胞の移動経路などに顕著な変化は見られないものの、発生後期では脊髄神経節の癒合が観察された。 Six1/Six4二重欠損マウス脊髄神経節における遺伝子発現プロファイル E11.5にて野生型とSix1/Six4二重欠損マウスの脊髄神経節をレーザーマイクロダイセクションにより単離し、マイクロアレイ解析を行った。その結果、有意に発現が異なる複数の遺伝子を捉えることが出来た。現在、in situハイブリダイゼーションや免疫染色でこれら遺伝子の発現の確認を行っている。
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