2007 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経損傷後の脊髄グリアで発現変化するプリン受容体の役割
Project/Area Number |
19790159
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
小林 希実子 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (70418961)
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Keywords | P2Y receptor / 神経因性疼痛 / ATP / microglia / MAP kinase / p38 |
Research Abstract |
細胞外ATPがP2X受容体を介してDRGニューロンを興奮させ痛みを起こす事が知られている一方、Gタンパク質共役型受容体はイオンチャンネルを活性化する事で疼痛の発現に関与していることが報告されている。P2Y受容体はラットではP2Y1,2,4,6,12,14の6種類がクローニングされており、Gi、やGq/11と共役している。末梢神経損傷により脊髄において活性化マイクログリアの増加が神経因性疼痛に関与し、またマイクログリアの活性化にはATPが関与することが知られている。19年度はマイクログリアに定常的に発現する代謝型P2Y12受容体に着目し、P2Y12受容体が神経因性疼痛においてどの様な役割を果たしているのかを検討した。Seltzer modelを作成し、その発現をRT-PCR法とin situ hybridization法にて詳細に検討した。P2Y12 mRNAはモデル作成後3日をピークに14日まで有意に増加しており、マイクログリアに発現が見られた。疼痛行動を調べた結果、モデル作成2日前からアンタゴニストまたはantisense oligo nucleotide(ASODN)を投与した群ではアロデニア、hyperalgesiaを有意に抑制するが、モデル作成後4日から投与した群では抑制されなかった。また、モデル作成2日前からP2Y12アンタゴニストまたはASODNを髄腔内投与した群でp38 MAP Kinaseのリン酸化を見たところ、antagonist,ASODN投与群で有意に減少していた。以上のことから神経因性疼痛発生の初期段階でP2Y12受容体が関与することが示唆された。
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