2009 Fiscal Year Annual Research Report
腎マクラデンサ細胞におけるシグナル伝達の分子機構解明
Project/Area Number |
19790169
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
安岡 有紀子 Kitasato University, 医学部, 助教 (50348504)
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Keywords | マクラデンサ / TGF / レニン / アルドステロン / バソプレッシン / V1aR / アシドーシス |
Research Abstract |
MD細胞において、arginine-vasopressin(AVP)のV1a受容体(V1aR)は、糸球体、ヘンレの太い上行脚、遠位曲尿細管、集合管の他、ネフロン内で最も発現量が大きかった。V1aR KOマウスのMD細胞ではCOX-2、レニンの発現量は低く、nNOS発現陽性MD細胞の数が少なく、V1a RはMD細胞においてTGFシグナルおよびレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の制御に関わっていることが示唆された。そこで、V1aR KOマウスを低Na+食で飼育し(6日間)、V1aRが欠失していることによるTGFシグナルの変化を観察した。結果、低Na+食を与えたにも関わらず、V1aR KOマウスではレニン活性は増えなかったが、アルドステロンは増えていた。V1aRを介したAVPのTGFシグナルへの関与が示唆された。また、V1aRは集合管において主細胞にはなく、間在細胞にのみ発現していた。間在細胞は酸塩基調節を担っていることから、WTマウスに0.28M NH4Clを飲水させアシドーシスを誘導したところ、間在細胞及びヘンレの太い上行脚の髄質部分(MTAL)のV1aRが有意に増加していた。このことから、V1aRは、間在細胞において酸排泄、MTALにおいてアンモニア輸送に関与していることが示唆された。次にV1aR KOマウスの酸塩基調節能を調べた。標準食時の血漿pH、尿pH,電解質濃度等はWTマウスと差はなかったが、0.28M NH4Clを飲水させアシドーシスを誘導したところ、V1aR KOマウスはWTマウスと比べて酸排泄能が有意に低いという結果が得られた。このことから、V1aRは酸負荷時に酸排泄を担っていることが示唆された。
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Research Products
(10 results)