2007 Fiscal Year Annual Research Report
褐色脂肪細胞でのミトコンドリアと滑面小胞体間のカルシウムカップリング機構
Project/Area Number |
19790171
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
日暮 陽子 Nagoya University of Arts and Sciences, 管理栄養学部, 助教 (30325633)
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Keywords | 褐色脂肪細胞 / カルシウム / ミトコンドリア / 滑面小胞体 |
Research Abstract |
本研究では、褐色脂肪細胞のミトコンドリアと滑面小胞体がどの様にCa^<2+>を相互に制御しているかを正常マウスと肥満マウスで明らかにすることを目的としている。現在までに、正常マウスと肥満マウスの両方で、ノルアドレナリンのα作用の特性(細胞内カルシウム濃度変化とミトコンドリア膜電位変化の関係)を調べ、またβ作用の特性も同様に調べた。さらに、ノルアドレナリンβ作用におけるミトコンドリアからのカルシウム放出が、滑面小胞体とどの様にかかわっているかを調べるために、滑面小胞体のCa^<2+>ポンプのブロッカー(CPA: CycloPiazonic Acid)を用い、β作用中の滑面小胞体からのCa^<2+>放出量を調べた。現段階で、β作用による応答後のCPA応答はコントロールに比べ変化する興味深い結果が得られている。また、これらの測定と並行して、褐色脂肪細胞における滑面小胞体内のカルシウム濃度変化をカルシウム感受性蛍光蛋白のカメレオンを滑面小胞体内に発現させ、ノルアドレナリン投与による滑面小胞体内カルシウム濃度変化の測定と共焦点レーザー顕微鏡を用い滑面小胞体の分布撮影に成功している。今後、正常マウスと肥満マウスでのミトコンドリアと滑面小胞体のカルシウム相互制御やこれら細胞内小器官分布の違いなどを分析していく段階にある。 本研究は本年度より遂行されているものであり、これから更なる実験により褐色脂肪細胞でのミトコンドリアと滑面小胞体のCa^<2+>相互制御が解明できると期待できる。
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