2009 Fiscal Year Annual Research Report
褐色脂肪細胞でのミトコンドリアと滑面小胞体間のカルシウムカップリング機構
Project/Area Number |
19790171
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
日暮 陽子 Nagoya University of Arts and Sciences, 管理栄養学部, 助教 (30325633)
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Keywords | 褐色脂肪細胞 / ミトコンドリア / 滑面小胞体 / カルシウム |
Research Abstract |
これまでの研究で、単離培養褐色脂肪細胞のミトコンドリアと滑面小胞体間でのカルシウム相互作用について、細胞内カルシウム濃度変化をカルシウム感受性蛍光色素(Fura 2/Am)、ミトコンドリア膜電位変化をローダミン123を細胞に負荷することによって測定した。褐色脂肪細胞へのノルアドレナリンβ3受容体の活性化(β作用)によってミトコンドリアからのカルシウム遊離が起こり、それによる細胞内カルシウム濃度の上昇が、PLCの活性化による細胞内カルシウム濃度上昇とERからのカルシウム流出を起こし、さらに細胞外からのカルシウム流入を引き起こすことを示唆した。本年度は単離培養褐色脂肪細胞の滑面小胞体にカルシウム感受性蛍光タンパク質(カメレオン)を発現させ、β3受容体の活性化の際に、滑面小胞体内のカルシウム濃度減少を確認した。また、ミトコンドリア内のカルシウム濃度測定を行うために、カルシウム感受性蛍光色素Rhod-5N/AM(Low affinity dye)を用い、負荷条件を検討し、褐色脂肪細胞内のミトコンドリア内のカルシウム濃度変化を測定することができた。その結果、β3受容体の活性化(β作用)でミトコンドリア内のカルシウム濃度が減少した。今後、各手法・各蛍光色素を用い、β3受容体の活性化による細胞質、滑面小胞体、ミトコンドリア内のカルシウム濃度変化の同時測定を行う。これらの結果によって、褐色脂肪細胞でのβ作用の際に、ミトコンドリアと滑面小胞体の間で相互作用を行うことを結論付けることができると考える。
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