2007 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンによる細胞膜セロトニン2A受容体の発現制御機構の解析
Project/Area Number |
19790175
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大倉 正道 Yamagata University, 医学部, 講師 (70369172)
|
Keywords | セロトニン / セロトニン2A受容体 / 細胞膜発現 / インターナリゼーション / インスリン |
Research Abstract |
本研究の目的は、インスリン受容体刺激により活性化される下流の細胞内情報伝達系のうち5-HT_<2A>受容体と分子複合体を形成する蛋白質(5-HT_<2A>受容体アソシエート蛋白質)群を同定し、同定した各々の蛋白質による細胞膜5-HT2A受容体の発現制御機構を明らかにすることである。本年度はまずシアン色蛍光蛋白質(CFP)を融合させた5-HT_<2A>受容体の遺伝子安定発現細胞株(HEK-5HT_<2A>-C細胞)をインスリン刺激後に破砕し、この細胞破砕液中の5-HT2A受容体アソシエート蛋白質群を抗GFP抗体(この抗体はCFPにも結合する)を用いて5-HT2A受容体と共に免疫沈降させ、共沈され得る蛋白質群を電気泳動で分離して解析した。対照実験ではインスリン刺激していない細胞を用いた。常法に従って免疫沈降を行った結果、インスリン刺激の有無に関わらず免疫沈降物中からは5-HT_<2A>受容体だけが検出された。常法の実験条件下で5-HT_<2A>受容体アソシエート蛋白質を検出できなかった理由として、1)5-HT_<2A>受容体とアソシエート蛋白質の分子複合体形成が生じないか極めて弱い、又は2)分子複合体形成が一過性である、の2つの可能性が考えられる。しかしながら少なくとも、インスリン刺激は5-HT_<2A>受容体自体に何らかの機能的な修飾をしていると思われる。その修飾がユビキチン化の促進によるものではないことを既に確認しているが、今後各種キナーゼによるリン酸化修飾の関与を検討したい。 一方、HEK-5HT^_<2A>-C細胞を用いて5-HT^_<2A>受容体の細胞内局在をCFP蛍光で可視化する実験を行い、5-HT^_<2A>受容体がトランスゴルジネットワークからの細胞膜へ輸送される過程においてPI3Kが抑制的な制御を行っていることを見出している(投稿準備中)。
|
Research Products
(5 results)