2007 Fiscal Year Annual Research Report
内耳外有毛細胞に存在する膜電位作動性モータータンパク質複合体の同定
Project/Area Number |
19790176
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
伊藤 政之 National Institute for Physiological Sciences, 分子生理研究系, 特別協力研究員 (20442535)
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Keywords | プレスチン / 内耳外有毛細胞 / SLC26陰イオントランスポーター / モータータンパク質 |
Research Abstract |
プレスチンは内耳外有毛細胞(OHC)に特異的に発現しているモータータンパク質で、膜電位依存的に細胞を伸縮させる(electro-motility)という非常にユニークな性質を有する。しかし、プレスチンの詳細な作動機序ついてはまだ不明な点が多い。本研究では「OHC内でプレスチンが他のタンパク質と複合体を形成し、膜電位作動性モーターとして機能する」という仮説の基、プレスチン結合タンパク質を2種のアプローチ(プルダウン法及びYeast two-hybrid(Y2H)法)で探索し、同定を目指す。 プルダウン法によるスクリーニングを行うため、GSTタグを付加したプレスチンのN末端及びC末端の細胞内領域の組換えタンパクを作製した。これらの組換えタンパクをマウス脳より調製したライセートと反応させ、GST-プルダウン法を行った。得られたサンプルをSDS-PAGEまたは二次元電気泳動により展開し、銀染色を行ってバンドもしくはスポットのパターンを解析したが、ビーズ等への非特異的な結合が多く、明確に特異的な結合を検出することが出来なかった。 一方、プレスチンのN末端及びC末端の細胞内領域をベイトとし、マウス蝸牛cDNAライブラリーを用いてY2H法によるスクリーニングも行った。ライブラリーの10分の1程度をスクリーニングした段階で大量の陽性クローンが得られたが、そのほとんどが擬陽性クローンで真の陽性クローンの単離には至っていない。 以上のように2種の方法でプレスチン結合タンパクの探索をしたが、どちらの実験系においてもバックグラウンドが高く、同定には至らなかった。来年度はそれぞれの実験系においてスクリーニングの条件を検討・最適化をし、引き続きプレスチン結合タンパクの同定を目指す。
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