2008 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞の抗原提示によるナチュラルキラーT細胞を介したT細胞応答の制御
Project/Area Number |
19790187
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊豫田 智典 Kyoto University, 生命科学研究科, 助教 (60359784)
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Keywords | NKT細胞 / 樹状細胞 / EAE / α-galactosylceramide / MOG / IL-10 / TGF-β1 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
NKT細胞がMOGペプチドとα-galactosylceramide(αGC)をパルスした骨髄由来樹状細胞(MOG+αGC/BM-DC)3回投与によるEAE発症抑制に必要であることがJα218ノックアウト(KO)マウスを用いた実験より明らかとなった。また、野生型(WT)C57BL/6マウスを免疫する際にMOGペプチドとαGCを別々のBM-DCにパルスして投与した場合には抑制効果が認められなかった。これらの結果より、NKT細胞とCD4T細胞が同一のBM-DC上でそれぞれの抗原を認識することが重要であることが明らかとなった。また、投与したBM-DCは肺、肝臓、脾臓に分布するが、脾臓除去マウスではMOG+αGC/BM-DC3回投与によるEAE発症抑制誘導されないことから、投与DCとNKT細胞およびT細胞が相互作用するのは脾臓であると考えられる。MOG+αGC/BM-DCを3回投与した場合、MOG/BM-DC免疫群よりもEAE誘導10日目で脾臓、リンパ節、脊髄においてT細胞数の増加が抑制されていた。NKT細胞数は脾臓とリンパ節では同程度の増加であったが、脊髄ではMOG+αGC/BM-DC投与群でより多くのNKT細胞浸潤が認められた。これまでの研究でαGCパルスBM-DC3回投与はIL-10産生CD4T細胞を誘導することが明らかとなっているが、FOXP3陽性の制御性T細胞の数には変化が認められなかった。しかし、CD25弱陽性から陰性CD4T細胞において膜結合型TGF-β1の発現上昇が認められた。これらの結果より、MOG+αGC/BM-DC投与はNKT細胞の活性化を介してIL-10やTGF-β1を発現するCD4T細胞を誘導し、他のエフェクター細胞の増殖や分化を抑制することでEAEの発症を抑制することが示唆された。
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Research Products
(2 results)