2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790192
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
勝山 真人 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 講師 (60315934)
|
Keywords | NADPHオキシダーゼ / マスト細胞 / アレルギー |
Research Abstract |
マスト細胞はI型アレルギーや炎症に重要な役割を果たす細胞であり,ヒスタミンやエイコサノイドといったアレルギー・炎症のメディエーターを顆粒中に貯蔵している。外部からの刺激に誘発された脱顆粒によりメディエーターが放出されるが,その脱顆粒に活性酸素が関与することが以前から報告されている。活性酸素産生酵素であるNADPHオキシダーゼの触媒サブユニット・NOXには5種類のアイソフォームが存在するが,申請者はマスト細胞株においてNOX1のみが発現することを見出した。このことはマスト細胞における活性酸素の産生にはNOX1が必須であることを示唆している。まずNOX1の脱顆粒への関与の有無について検討した。野生型およびNOX1遺伝子欠損(NOX1-KO)マウスの骨髄由来マスト細胞(BMMC)を培養し,抗原刺激による脱顆粒をβ-ヘキソサミニダーゼ活性を指標に計測したが,両者の脱穎粒の程度に有意な差は認められなかった。次にBMMCのヒスタミン含量を測定したが,野生型とNOX1-KOで有意な差は認められなかった。そこで成熟型のマスト細胞とされる腹腔マスト細胞を腹水から回収し,マスト細胞プロテアーゼであるキマーゼ,トリプターゼ,およびカルボキシペプチダーゼAの活性を測定した。しかしどの酵素の活性についても,野生型とNOX1-KOで有意な差は認められなかった。これまでマスト細胞の成熟とアレルギー疾患への関与を中心にNOX1の役割を検討してきたが,今後はNOX1の細胞内局在と活性酸素産生部位を検討し,活性酸素の放出そのものの意義について検討を加えたい。
|