2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武藤 哲彦 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (80343292)
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Keywords | 免疫学 / 発現制御 / 遺伝子 / 転写因子 |
Research Abstract |
Bach2ノックアウトマウスは、B細胞の活性化応答のなかでもクラススイッチ応答や体細胞突然変異の導入などの胚中心応答に障害がある。また、我々は転写因子Blimp-1をBach2の直接標的遺伝子として同定した。Blimp-1は、形質細胞分化を促進する一方で、胚中心応答に抑制的である可能性が示唆されている。そこで、Bach2ノックアウトB細胞での脱抑制的に高いBlimp-1遺伝子の発現が胚中心応答障害の原因かを検証するために、Bach2・Blimp-1ダブルノックアウト(DD)マウスを作成し、解析をおこなった。先ず、同マウスの脾臓B細胞の初代培養実験系でクラススイッチを検討した。その結果、Bach2ノックアウトB細胞では、クラススイッチしたB細胞が誘導されないのに対し、DDマウス由来のB細胞からはスイッチしたB細胞が誘導された。このとき、クラススイッチに必須の酵素AIDの遺伝子発現の障害が救済されることをあきらかにした。これらの結果は、B細胞活性化応答後のBlimp-1遺伝子の発現が、Bach2によって抑制されることがB細胞のクラススイッチ応答の実行には必須であることを示唆している。しかしながら、Bach2ノックアウトB細胞でみられるB細胞分化の障害は、DDマウスのB細胞では回復しないことから、Blimp-1以外のBach2標的遺伝子には、B細胞で重要な役割をする遺伝子が含まれることを示唆しており、引き続き標的遺伝子の探索と検証をおこなっている。
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Research Products
(5 results)