2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武藤 哲彦 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (80343292)
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Keywords | 転写因子 / 免疫 / 形質細胞 / Bach2 / Blimp-1 / ネットワーク |
Research Abstract |
Bach2ノックアウトマウスは、B細胞の活性化応答のなかでもクラススイッチDNA組換えや体細胞突然変異の導入などの胚中心応答に障害がある。また、我々は転写因子Blimp-1をBach2の直接標的遺伝子として同定した。Blimp-1は、形質細胞分化を促進する一方で、胚中心応答に抑制的である可能性が示唆されている。そこで、Bach2ノックアウトB細胞での脱抑制的に高いBlimp-1遺伝子の発現が、胚中心応答障害の原因なのかを検証するために、Bach2およびBlimp-1ダブルノックアウト(DD)マウスを作成し、解析をおこなった。同マウスの脾臓B細胞を用いて、初代培養系でLPSやサイトカインによりクラススイッチを誘導した。その結果、Bach2ノックアウトB細胞では、クラススイッチしたB細胞が誘導されないのに対し、DDマウス由来のB細胞からはスイッチしたB細胞が誘導された。このとき、クラススイッチに必須の酵素AIDの遺伝子発現の障害が救済されることを明らかにした。さらに、クラススイッチ過程では、Bach2がBlimp-1遺伝子の発現を抑制し、Blimp-1による転写因子Pax5の遺伝子の転写抑制を阻止することが、Pax5によってAID遺伝子が活性化されて発現するために必要であることを示した。従って、B細胞の活性化応答では、クラススイッチするB細胞への分化、形質細胞へ分化するB細胞の運命決定を制御する遺伝子ネットワークを明らかにした。そこで、Bach2は、形質細胞分化の遺伝子ネットワークを抑止し、クラススイッチ応答を制御する遺伝子ネットワークへの切り換えるために重要な役割を担うことを示した。
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Research Products
(3 results)