2007 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞分化における活性化アダプター分子DAP10の生理的役割に関する研究
Project/Area Number |
19790203
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
乾 匡範 Wakayama Medical University, 医学部, 助教 (80443985)
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Keywords | 骨免疫学 / 骨代謝学 / 免疫学 |
Research Abstract |
破骨細胞の分化および活性化機構を明らかにすることは骨疾患の発症機序の理解に必要である。本研究では,破骨細胞分化における活性化アダプター分子DAP10の生理的役割を解明するため,DAP10遺伝子欠損マウスの解析を行った。 実験1.DAP10遺伝子欠損マウスを用いた解析による破骨細胞分化におけるDAP10の生理的役割の解明 DAP10遺伝子欠損マウスの骨組織切片を作製し,ヘマトキシリン、エオジン染色および酒石酸耐性酸性フォスファクーゼ(TRAP)染色によりin vivoにおける骨量と破骨細胞数を野生型マウスと比較した.さらに,DAP10遺伝子欠損マウスの骨髄細胞をin vitroにおいてRANKL/M-CSFで培養し,破骨細胞誘導能と骨吸収能をTRAP染色および骨吸収アッセイにより検討した.その結果,DAP10欠損マウスは加齢に伴い,骨量が増加することが判明した.また,骨芽細胞数や骨形成能に異常は認められなかったが破骨細胞数および骨吸収能において有意な減少が観察された.また,in vitroにおいて破骨細胞数および骨吸収能が野生型マウスと比較して有意に低下していることが明らかとなった.これらの結果から,DAP10は破骨細胞の分化・活性化に必要であり,その欠損は骨量の増加を導くことが明らかとなった. 実験2.破骨細胞に発現する新規DAP10会合受容体の検索 破骨細胞における新規DAP10会合受容体を検索するため,まずリコンビナントDAP10を作製し,ウサギに免疫することで抗DAP10抗体を得た.この抗体を用いて破骨細胞溶解物の免疫沈降を行い,共沈してくる分子を同定する.
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