2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞を用いたステロイド産生細胞の作製と再生医療への応用
Project/Area Number |
19790206
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
矢澤 隆志 University of Fukui, 医学部, 助教 (00334813)
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Keywords | ステロイドホルモン / SF-1 / LRH-1 / CYP17 / ライディッヒ細胞 |
Research Abstract |
私は、骨髄由来の間葉系幹細胞が、ステロイド産生器官のマスター遺伝子であるSF-1/Ad4BPとcAMPの協調作用により、ステロイドホルモン産生細胞に分化することを解明した。今年度は、SF-1以外の分化誘導因子の探索を行ったところ、LRH-1に同様の効果があることが分かった。 LRH-1は、SF-1と共に核内受容体の5Aファミリーに属する転写因子である。ヒトにおいて、LRH-1遺伝子は、SF-1と同様に生殖腺や副腎でその発現が検出された。特に、生殖腺における発現レベルは非常に高く、SF-1の発現レベルよりもはるかに高かった。LRH-1は、ステロイド合成系遺伝子のプロモーターを量依存的に活性化することができたが、その活性はSF-1に比べて著しく低いものであった。しかしながら、LRH-1は、cAMPとの協調作用によって、SF-1と同様に間葉系幹細胞をステロイド産生細胞に分化誘導することができた。LRH-1により分化した細胞では、CYP17の発現が高く、テストステロンやコーチゾルを産生していた。レポーターアッセイとゲルシフトアッセイの結果から、LRH-1はCYP17遺伝子の5'上流域の3箇所のAd4/SF-1結合領域に結合し、その発現を制御していることが分かった。ヒト精巣において免疫組織化学を行ったところ、LRH-1タンパク質の発現は、SF-1やCYP17と同様にライディッヒ細胞において検出された。よって、LRH-1は、ヒト精巣でSF-1と共にライディッヒ細胞のCYP17を含むステロイド合成系遺伝子の発現を制御し、ステロイド産生に関わると考えられる。
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Research Products
(8 results)