2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染経路における非翻訳RNA結合タンパク質の役割
Project/Area Number |
19790207
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
坂本 修士 Kochi University, 総合研究センター, 助教 (80397546)
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Keywords | マイクロ RNA / 二本鎖RNA結合蛋白質 / NF90 family-NF45 / Drosha複合体 / primary-miRNA |
Research Abstract |
我々はこれまでに、HEK293T細胞で二本鎖RNA結合蛋白質であるNF90 family-NF45複合体が高発現するとmicroRNA(miRNA)の初期産物であるpri-miRNAが蓄積することを見出している。そこでまず、この蓄積が転写促進によるものか、否かを明らかにするためにRNA poly IIの阻害剤であるα-amanitinを用いて、NF90family-NF45高発現時のpri-miRNAの発現量の変化を測定した。その結果、NF90 family-NF45高発現時ではα-amanitin存在下でもpri-miRNAの蓄積が維持されることがわかった。このことは、pri-miRNAの蓄積が、miRNA遺伝子の転写活性化によるものではないことを示唆している。次に、pri-miRNAのプロセッシングにおけるNF90family-NF45の影響を検討したところ、これらの蛋白質はDrosha複合体によるpri-miRNAプロセッシングを箸しく抑制することがわかった。さらに細胞内において、NF90 family複合体はDrosha複合体とは相互作用しないが、pri-miRNAへは結合することが明らかとなった。これらの解析結果より、NF90 family-NF45によるpri-miRNAの蓄積は、これらの蛋白質がpri-miRNAに結合することにより、Drosha複合体の接近が阻害され、pri-miRNAプロセッシングが抑制されるために生ずるのではないかと考えられた。 今後は、NF90family-NF45のpri-miRNAへの結合に対するDrosha複合体の競合性をIn vitroで詳細に解析すると共に、どのような生理条件下でNF90 family-NF45が高発現するのかを検討していく。
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Research Products
(3 results)