2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790208
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小柳 三千代 Kyoto University, 再生医科学研究所, 産生官連携研究員 (90432327)
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Keywords | ES細胞 / 体細胞の初期化 / microRNA / iPS細胞 / レトロウイルス |
Research Abstract |
我々の研究室では、マウス/ヒトの線維芽細胞に4つの因子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc(WT))を導入することによってES細胞様の多能性を有する細胞を誘導できることを報告した(Takahashi K. & Yamanaka S, Cell 126, 663-676, 2006., Takahashi K., et. al., Cell: 131: 861-872, 2007)。さらに、iPS細胞の誘導方法を工夫し、がん遺伝子であるMycを用いないで、4因子を導入した場合と同程度にES細胞に近いiPS細胞を誘導することに成功した(Nakagawa M. & Koyanagi M. Nat. biotechnology 26 (1), 101-106, 2008)。しかしながらMycなしの3因子によるiPS細胞誘導は4因子に比べて誘導効率が低かった。 そこで、我々はマウスの線維芽細胞からMycなしの3因子とmicroRNAを共発現させて多能性幹細胞の誘導をおこない、誘導の効率を上げるmicroRNAの同定を試みた。その結果、Oct3/4, Sox2, Klf4の3つの因子と共にマウス胎児繊維芽細胞に導入すると、iPS細胞化の効率を上昇させる働きを持つmicroRNA-Xを同定した。今後は、このmicroRNA-Xの機能を解析することによって、多能性幹細胞の誘導のメカニズムの一端を明らかにすることを目的として研究を進めていく予定である。また、ヒトでも同様の実験を行い、良質かつ安全なiPS細胞の作成方法に核酸医薬としてmicroRNAを利用することができないかを検討する。
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