2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790208
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小柳 三千代 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 研究員 (90432327)
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Keywords | ES細胞 / 体細胞の初期化 / microRNA / iPS細胞 / レトロウイルス |
Research Abstract |
1. ヒトiPS細胞におけるmicroRNAの発現プロファイリング 我々の研究室では、平成19年度に、ヒトの線維芽細胞からの多能性幹細胞の誘導に成功した。平成18年度の研究結果から、マウスでは、通常の遺伝子発現のみならずmicroRNAの発現に関しても、iPS細胞とES細胞は非常に良く似たパターンを示すことがわかっていたが、ヒトでも同様であるかどうかをmiRNAマイクロアレイを用いて検討した。その結果、ヒトiPS細胞もヒトES細胞とよく似た発現パターを示すことがわかった。一方で異なる発現を示すmiRNAもみられた。 2. ヒト線維芽細胞からの多能性幹細胞の誘導に関与するmicroRNAの同定 平成19年度に、マウス線維芽細胞からの多能性幹細胞の誘導に関与しているmicroRNA, mmu-miR-Xを同定した。mmu-miR-Xにはヒトホモログは存在しないが、同じseed配列をもったmicroRNA群はヒトにも存在するため、それらをクローニングし、ヒトの線維芽細胞にOCT3/4, SOX-2, KLF4とこれらのmicroRNA群を共発現させたところ、マウスの場合と同様、多能性幹細胞の誘導の効率を上昇させることがわかった。 3. 多能性幹細胞の誘導に関与するmicroRNAの機能の解析 同定した多能性幹細胞の誘導に積極的に関わるmiRNAの機能を解析することによって、多能性幹細胞の誘導のメカニズムの一端を明らかにすることにつとめた。
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