2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790216
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
梅田 一彰 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (80444876)
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Keywords | タイトジャンクション / ZO-1 |
Research Abstract |
上皮細胞の細胞間接着装置であるタイトジャンクション(TJ)は、接着分子クローディンが重合することによって形成される。また、クローディンは、その細胞内領域で足場蛋白質であるZO-1、ZO-2およびZO-3と結合し、これらの分子を介してアクチン細胞骨格と連結している。私共は、ZO-l/ZO-2分子の機能解析のため、相同組み換え法でZO-1をノックアウトし、さらにRNAinterference (RNAi)法でZO-2をノックダウンした上皮細胞(1(ko)/2(kd))を作製した。これまでに、本細胞を用いて、クローディンの重合によるTJの形成は、ZO-1/ZO-2が司り、かつ、その重合が行われる位置をも決定していることを見出している。さらに、個体レベルでZO-1遺伝子の機能を探索すべく、ZO-1ノックアウトマウスを作製し、表現型を解析した。 その結果、ZO-1ノックアウトマウスは、 1. 受精後8.5日(E8.5)から発育成長が遅れ始め、E11.5までにはすべての胚で致死を示した。 2. 絨毛膜と尿膜の癒合に異常が認められた。 3. E9.5において、脊索、神経管および尿膜においてアポトーシスが顕著に認められた。 4. ファミリー蛋白質であるZO-2またはZO-3の発現パターンには、なんら異常は認められなかった。 5. 卵黄嚢において、血管新生に異常が認められた。 以上の結果から、胚発生の初期段階で、ZO-1は組織形成に重要な働きをしていることが示唆された。
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