2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790216
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
梅田 一彰 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (80444876)
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Keywords | タイトジャンクション / ZO-1 |
Research Abstract |
上皮細胞の細胞間接着装置は、ラテラル膜の最もアピカル側に位置するタイトジャンクション(TJ)と、それの基底側に近接して位置するアドヘレンスジャンクション(AJ)から主に構成されている。TJは、クローディンなどの細胞膜貫通タンパク質により高次構造を形成し、細胞間バリアー機能が構築される。また、AJは、カドヘリンなどの細胞膜貫通タンパク質により形成される。クローディンは、その細胞内領域で足場蛋白質であるZO-1、ZO-2およびZO-3と結合し、これらの分子を介してアクチン細胞骨格と連結している。私は、これまでに、ZO-1/2/3の発現を欠失した上皮細胞を作成し、TJの形成において、ZO-1/2が必須であることを明らかにした。今回は、AJの形成過程におけるZO-1/2の役割を検討した。TJに局在する細胞膜裏打ちタンパク質であるZO-1/2/3は、AJの形成過程においては、カドヘリンによる接着部位に局在するという特徴的な性質を示すことが知られている。ZO-1/2/3欠失上皮細胞を免疫染色法で調べたところ、本来AJに組み込まれているミオシン-2が、AJから分離していた。一方、RhoAのドミナントアクティブを強制発現すると、ミオシン-2がAJに組み込まれた。よって、ZO-1/2は、細胞膜裏打ち骨格タンパク質としての役割とRhoAを介したシグナル伝達タンパク質としての役割の両面から、上皮細胞間接着装置の高次構造の形成を制御することが示唆された。
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