2009 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンレセプターのホルモン応答性分子変換機構の解明
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19790218
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
坂下 英司 Jichi Medical University, 医学部, 講師 (00337320)
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Keywords | 選択的スプライシング / RNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
インスリンレセプター(IR)の選択的スプライシングについて、マウスにおけるDex投与効果を検討した。マウス(B57BL/6J、6~8週齢、標準固形飼料・水自由摂食)にDexを腹腔内投与した。24時間後に再投与し、合計3回Dex投与を行った。最終投与から12時間絶食後、各臓器を摘出した。RNAを精製し、RT-PCR法によりIRのスプライシング様式の検討を行った。コントロール群において、肝臓と脂肪ではエキソン含有型(IR-B)のみが観察された。筋肉では、エキソン除外型(IR-A)の産物が有意に観察された。一方で、Dex投与群のスプライシング様式は、コントロール群と変化が見られなかった。このことは、Dex短期投与では、マウス個体においてIRの選択的スプライシングに影響を与えないことを示唆している。次に、マウス脂肪前駆細胞3T3-L1を用いて、DexによるCUGBP1の細胞内局在への影響を検討した。前駆細胞はDexとインスリン(Ins)で分化誘導するにつれて、CUGBP1の核質/細胞質比が減少する。このとき、IR-Bの増加が見られた。脂肪細胞分化後、Insを単独で添加し、さらに培養を継続すると、CUGBP1の細胞質分布が促進した。 一方で、Dexのみを添加すると、核質分布が増加した。このとき、Ins添加ではIR-Aの増加が見られないのに対し、Dex添加ではIR-Aの増加が見られた。このことは、マウス3T3-L1細胞において、Ins共添加時とDex単独添加時とではDexがCUGBP1の局在に及ぼす作用が異なっていることを示している。しかしながら、どちらもCUGBP1の核蓄積量増加時に、IR-Aへの分子変換が見られることから、CUGBP1核局在とIRエキソンスキッピングとの相関性を示している。
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Research Products
(1 results)