2010 Fiscal Year Annual Research Report
Lmx1a相同性遺伝子導入ES細胞を用いたドーパミン産生細胞の分化誘導と移植治療
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19790220
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
千葉 俊明 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 准教授 (20367361)
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Keywords | 胚性幹細胞 / パーキンソン病 / 相同性遺伝子導入 / 移植治療 |
Research Abstract |
1.新たに購入したB6Whiteマウス胚性幹細胞を用いてLmx1a-GFP相同性遺伝子導入を行い、得られた株から発現レベルの高い優良株(F80)を選定した。このB6W細胞はC57BL/6系のアルピノより得られた染色体異常のない細胞株であり、C57BL/6胚を用いてトランスジェニックマウスを作製すれば、通常必須である5-6回の交配過程を省けるため、時間的にも大いに節約できる。必要数の凍結ストックを確保し、さらに分化誘導後の細胞がFACSにて同定可能であることを確認した。また、分子生物学的にも分化細胞がLmx1aおよびGFPの遺伝子を同時に発現する事もサザンプロット、RT-PCR法およびシークエンスによって確認できた。 2.分化誘導後のドーパミン産生細胞をL-dopa抵抗性を示すヒト変異タウ型パーキンソニズムモデルマウス(SJLB)の線条体へ移植した。移植目的のモデルとしての妥当性を評価するため、行動試験および組織評価を行なった(NeurosciLett.報告済み)。生着したTH陽性細胞(ドーパミン産生能をもつ)の確認を行い、さらにGFP抗体での同定により移植細胞由来であることも確認できた。所属機関を移転したため、当初予定したFACS抽出および運動機能試験は物理的に不可能であった。 3.選定したF80細胞株のゲノムにおけるLmx1a-GFP遺伝子のシークエンスを行ないポイントミューテーションやその他の問題がない事を確認した。その後F80細胞株を用いてKnock/inマウスを作製中である(作製は予定通り業者委託を行なった)。前述のとおりFACS抽出が困難であり、抽出後の胎児中脳由来ドーパミン産生細胞との比較は実行できず、そのため、分化培養における比較を行い、Lmx1aおよびTH、Pitx3などの特異的発現マーカーが、胎児中脳由来ドーパミン産生細胞と差異がないことを確認した。
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Research Products
(4 results)