2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞のアポトーシスに関連するマイクロRNAの網羅的解析
Project/Area Number |
19790222
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
田中 陽一郎 Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center, 臨床腫瘍研究所, 研究員 (70450426)
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Keywords | 癌 / 核酸 / マイクロRNA / アポトーシス / 網羅的解析 |
Research Abstract |
本研究では、miRNA発現ベクターライブラリを作製し、細胞に投与することで癌細胞でのアポトーシスを誘導または抑制するマイクロRNA(miRNA)を、機能のわかっていないmiRNA群から選択する方法を開発している。 まず、効率の良いmiRNA発現ベクターライブラリのデザインおよびmiRNAの発現条件検討を行った。市販されているshRNA発現用ベクターを使用し、数種類のアポトーシス関連miRNAについて、miRNAのデータベース「miRBase」上に掲載されているmiRNA前駆体を発現したが、発現の効率が非常に悪いものが多かった。miRNAは、pri-miRNAとして発現し、Drosh-DGCR8複合体によって切断されてpre-miRNAとなり、核外に輸送後にDicerにさらに切断され、mature miRNAとなる。pri-miRNAからpre-miRNAへのプロセシング効率には、pre-miRNAで切り取られる部分(pri-miRNA配列)が重要であることが知られている。そこで、プロセシング効率の良い特定のpri-miRNA配列に、発現するpre-miRNAを付加したキメラ型pri-miRNAを作製した。pri-miRNA配列とプロセシング効率の関係がよくわかっているmiR-30aのpri-miRNA配列を使用したキメラ型miRNA発現ベクターは、miRBase上のmiRNA前駆体を発現した場合よりもmature miRNAの発現の効率が2〜4.5倍に上昇した。現在、約100種類程度のmiRNA発現ベクターライブラリの調製を進めており、同時にHeLa細胞を使ったmiRNAによる細胞の増殖およびアポトーシスの変化をアッセイする方法を検討している。
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Research Products
(1 results)